はじめに
中秋の名月ってなに?なんてもしお子さんに聞かれたら、皆さんならどの様に答えますか?なんとなく秋の夜の満月を見る風習くらいに思っていませんか?
今回の記事では、
・中秋の名月、その意味や由来とは? ・中秋の名月にお供え物をする意味は? ・2020年の中秋の名月はいつ?
などを調べてみました。
普段はあまり気にしていないことかもしれませんが、改めてどんな意味があるのかなど見ていきたいと思います。
目次
中秋の名月、その意味や由来とは
中秋は旧暦の8月を意味しています。昔の暦では1,2,3月を春、4,5,6月を夏、7,8,9月を秋、10,11,12月を冬としていました。そして秋の真ん中という意味で8月を中秋と呼んでいたのです。
さらに旧暦では満月になる日は、月の満ち欠け周期の半分の15日だと考えられていたため旧暦の8月15日の月のことを中秋の名月と呼ぶようになったのです。これは現代の暦でいうと9月上旬~10月上旬と幅があります。
ただし意外に思われる方も多いと思いますが、中秋の名月は必ず満月になるとは限りません。むしろ満月にならないことの方が多いのです。これは中秋の名月と満月の定義が違うことにより起こります。
中秋の名月は旧暦の8月15日の月を指すことは前述したとおりですが、満月とは地球から見て月と太陽がちょうど反対方向になった時の月を指すため、どうしてもずれてしまうのです。
中秋の名月はなぜ毎年日付が変わるのか
前述したように中秋の名月は毎年、日付が変わります。なぜそんなことになるのでしょうか?これは旧暦と新暦の違いによるものです。
簡単に言うと旧暦は月の満ち欠けを基準に1ヶ月が決まっているのに対して、新暦は地球の公転周期を1年として1ヶ月が決まっていることによります。
上記を元に計算すると、旧暦の12ヶ月は354日となり、新暦より11日短くなります。そうすると、季節がどんどんずれていってしまうため旧暦では32~33か月に一度うるう月を設けて、調整していたのです。
つまり旧暦と新暦の1年の長さが違うというわけです。ですから旧暦では毎年8月15日でも、新暦では毎年日にちが変わるわけです。このような理由で中秋の名月は毎年日付が違うんですね。
十五夜とは違うの?
また十五夜という言葉があります。これもまた満月の夜のことを指す言葉ですが、こちらは旧暦の毎月15日の夜を指す言葉です。
その中に中秋の名月も含まれるという感じでしょうか。つまり十五夜は毎月あって、中秋の名月は年に一度しかないということですね。
中秋の名月の由来とは
中秋の名月として月を楽しむようになったのは、平安時代に中国から伝わりました。当時の貴族たちがお月見をしながら歌を詠んだり、お酒を飲んだりして楽しんだようです。
室町時代になると、宗教的な要素が入ってきてお供えやお祈りをするようになります。そして江戸時代になり一般庶民にもお月見の文化が広まり、現代のような風習になったようです。
中秋の名月にお供え物をする意味は
中秋の名月にはお月見をするのが一般的ですね。その際には団子やすすきなどを供えることが真っ先に思い浮かぶ方が多いと思います。
これらにはどのような意味があるのでしょうか?また他にはどのようなお供えをするのでしょうか?
月見団子
江戸時代に始まったとされ、収穫の無事を祈るという意味が込められています。また米で作った団子を月に見立てて飾ったことが始まりとされ、十五夜にちなんで15個飾るのが一般的です。
また月は欠けてもまた戻ることから生や不死の象徴として考えられ、団子を月に見立てることにより、食べることで健康や幸せになれるという意味があったようです。
ススキ
ススキは稲穂に見立てて飾られるようになったようです。稲穂はこの時期まだ穂が実る前の時期のため代わりにすすきを飾り、収穫への感謝を表していました。
さらにすすきには古くから神様の依り代と考えられていて、悪霊や災いから収穫物を守り、翌年の豊作を祈願する意味もあったようです。
里芋
中秋の名月に里芋を供えるのも一般的です。里芋はこの時期収穫期にあたり、出始めの芋を煮たり蒸したりしてお供えします。この里芋をお供えする習慣から中秋の名月のことを芋名月と呼ぶこともあります。
秋の七草
秋の七草は前述したススキ(尾花)の他に、ハギ(萩)、クズ(葛)、キキョウ(桔梗)、オミナエシ(女郎花)、フジバカマ(藤袴)、ナデシコ(撫子)のことです。無理にそろえる必要はなく、そろわない場合はススキだけでも問題ないようです。
2020年の中秋の名月はいつなの?
今年2020年の中秋の名月は10月1日(木)です。そして満月の日は10月02日(金)です。残念ながら1日ずれてしまっています。ちなみに、2021年からは3年連続で中秋の名月の日と満月の日が重なります。
今年は、ずれているといっても1日だけなので見た目には満月とほとんど変わりません。たまには部屋の中からでも月を見ながらお酒を飲むのも良いものですね。
年齢を重ねてくると若いころはあまり関心のなかった、行事や風習などに興味が湧いてくるものです。
私も今年はコロナの影響で家にいる機会が多くなり、家の中で出来ることは何かないかと考えていました。
そんな時にふと中秋の名月という言葉を思い出して、秋になったら窓を開け部屋を暗くしてお月見もいいかな?なんて思った次第です!
ただ単にお酒を飲む口実が欲しいだけだったりもします。みなさんも今年の秋はご家族と一緒にお月見なんていかがでしょうか?
さいごに
現代では古くからの行事や風習は廃れていっているものが多いと思いますが、良いものはやはり残っていってほしいですよね。
私は考え方や意味合いが多少変わってしまうのも、アリなんじゃないかなと思っています。
こういうものは言葉と一緒で、その時代時代に合わせて変わっていくものだと思うからです。
ただ、たまには昔の人がどんなことを思い、考え、どんな意図で行ってきたことなのかを想像してみるのも大事なのかなとも思います。
皆さんはどのようにお考えでしょうか?
最後まで読んでいただきありがとうございました。