はじめに
ひな祭りに食べるものと言えば、「ひなあられ」や「ハマグリのお吸い物」でしょうか。
いや、もうひとつ人気のある食べ物がありますね。そう「ちらし寿司」です。
ちらし寿司は子供も大人も大好きなメニューのひとつかと思いますが、ひな祭りの時に食べられるようになったのにはどんな意味や由来があるのでしょうか。
今回は
- ひな祭りにちらし寿司を食べる理由
- ちらし寿司はなぜ縁起がいいのか
- 桃の節句とは
について解説していきます。行事食には何かしら、昔の人の思いが込められているものですよね。
ちらし寿司にはどんな思いが込められているのでしょうか。一緒に見ていきましょう。
目次
ひな祭りにちらし寿司が食べられる理由
じつはひな祭りにちらし寿司が食べられるようになった由来は、はっきりしていません。
しかし有力とされる説がありますので、ご紹介します。
なれ寿司
有力なのは元々ひな祭りには、なれ寿司が食べられていたという説です。
なれ寿司は魚に米を詰めて発酵させた、独特な匂いと味のお寿司です。
現代ではサバが使われることが多いですが、平安時代にはアユやフナを使って作られていたと言います。
アユ、フナと言えば川魚ですから、匂いは中々なものだったのではないでしょうか。
【ふるさと納税】紀州名産早なれ寿司 ☆平成27年度、プレミア和歌山に認定されました。
ばら寿司
江戸時代になると今のちらし寿司の原型となる、ばら寿司が食べられるようになりました。
これはなれ寿司は見た目が地味で、女の子の行事には不向きと思われたことが大きかったようです。
また味や匂いも独特で、子供向きとは言えないメニューだったことも原因のようです。
ばら寿司はちらし寿司が具材を上に乗せているのに対してご飯の中に混ぜ込む作り方で、なれ寿司に比べて食べやすく見た目にも華やかでした。
その後、ばら寿司がちらし寿司に変わっていき、お祝いごとの中でも特にひな祭りの時に食べられる行事食として定着しました。
ちらし寿司の縁起が良い理由
ちらし寿司は行事食になっているくらいですから、縁起が良いと言われています。それにはどんな理由があるのでしょうか。
じつは縁起が良いのはちらし寿司自体ではなく、使われている具材によるところが大きいのです。
ちらし寿司に使われる具材で、特に縁起が良いと言われる具材は以下の三つです。
- 海老:エビのように腰が曲がるまで長生きできるように、また火を通すと紅くなることから縁起良いとされた
- 豆:健康でマメに働く人になるようにという願いが込められた
- レンコン:穴が開いていることから、物事を先々まで見通せる人になるようにという思いが込められた
このような昔の人の思いや願いが、込められているんです。
逆に言えばこれらの食材を使っていれば、ちらし寿司にこだわる必要はないとも言えますね。
でも美味しいので、やっぱりちらし寿司が食べたいですよね(笑)
手まり寿司
近年はひな祭りと言えば、ちらし寿司はもちろん手まり寿司も人気になっています。
手まり寿司とは文字通り手まりのように丸いお寿司のことで、たいてい握り寿司よりも小さく子供でも一口で食べられるサイズのお寿司です。
具材は他のお寿司と同様にお刺身や玉子、キュウリなど見た目にも華やかでカラフルです。
人気の理由はやはりその見た目!手まりのように小さく丸いうえに、カラフルな見た目が子供にも人気です。
作り方も簡単で、ラップの上に具材を置きその上に酢飯を乗せて、ラップで丸く包むだけです。
親子で一緒に、楽しみながら作れますよね。
ちらし寿司以外の定番料理
ちらし寿司は地域ごとに違いがあり、使われる具材はもちろん意味合いもまた違いがあります。
また、ちらし寿司以外にもひな祭りに食べられる、定番の食べ物がありますよね。たとえば
- ハマグリのお吸い物
- ひなあられ
- 菱餅
などがそうです。
ハマグリのお吸い物
ハマグリが使われるのは、貝が対になっているところから「良い人と結ばれるように」という願いが込められていると言われます。
ひなあられ
ひなあられには「桃」「緑」「白」「黄」の4色があり、これらの色は四季を表していると言われます。
そこから、一年を通して健康で幸せに暮らしたいという願いが、込められているということです。
菱餅
菱餅は上から「赤」「白」「緑」というのが、一般的です。
赤は桃の花、白は雪、緑は芽を表していると言われます。
また特徴的な菱形の形は、魔除けになると考えられていた説があります。
桃の節句
ひな祭りのことを桃の節句と言いますよね。これはなぜなのかご存じでしょうか。
そもそも節句とは中国から伝わった季節の節目を表す言葉で、一年に5回あり五節句と呼ばれています。
中国では奇数が重なる日には悪い事が起こるとされていて、お供えなどをして邪気を払う風習がありました。
それぞれの日付と呼び名は以下の通りです。また節句ではそれぞれ、季節ごとの植物を飾ります。
- 1/7:人日(じんじつ)の節句:正月の七草
- 3/3:上巳(じょうし)の節句:桃・よもぎ
- 5/5:端午(たんご)の節句:菖蒲(しょうぶ)
- 7/7:七夕(しちせき)の節句:笹
- 9/9:重陽(ちょうよう)の節句:菊
1月1日(元日)だけは別格として1月7日を節句としているのだとか。
ところで桃の花の開花はだいたい3月下旬から4月上旬が多いのですが、なぜ3月3日の上巳の節句が桃の節句と言われるのでしょうか。
これは旧暦の3月3日が、新暦でいえば4月上旬ころに当たるためです。
けして季節外れというわけではなく、旧暦の名残で和名として桃の節句と言われているというわけですね。
ひな祭りの思い出
超余談ですが、小学生の頃のひな祭りの思い出と言えば、私にとっては替え歌です。
「あかりをつけましょ、ぼんぼりに~」という歌詞のお馴染みの歌です。あの歌の歌詞を
お花をあげましょ 毒の花
五人囃子に 殺されて
今日は悲しい お葬式
と替えて、みんなで歌っていた思い出があります。
なんてことのない替え歌ですが、子供の頃ってああいうのが妙に面白くて何回も歌っていた記憶があります。
あの手の替え歌って、いつ誰が考えたものなんでしょうね。
ちょっと気になります(笑)
さいごに
いかがでしたか。簡単にまとめます。
- ひな祭りのちらし寿司は、なれ寿司→ばら寿司→ちらし寿司と変化した説が有力
- ちらし寿司の縁起がいいとされるのは、具材の海老、豆、レンコンの縁起がいいから
- 最近では子供が一口で食べられる、手まり寿司も人気になっている
- 桃の節句と言われるのは、旧暦を使っていた頃の名残
ひな祭りは女の子がいるご家庭では、欠かせないイベントかと思います。
ぜひその意味を理解して、お子さんにも分かりやすく教えてあげて下さいね。
最後まで読んでいただきありがとうございました。